白虎


入場券
 仕事を抜け出して、飛鳥資料館に噂の白虎を見に行ってきました。道路の両脇には駐車ができないように三角錐のプラスチックのポールが並べられています。資料館の前の食堂、土産物店の駐車場には「満車」の文字。皆さん心得たものでレンタサイクルが数多く見受けられます。入り口の入場券売場は閉められていて、中に入った広い前庭に蛇行するように作られた行列柵の端に臨時の入場券売場がつくられています。立て看板には「ただいまの待ち時間90分」の文字と、「本日の整理券は終了しました」の文字。
 学生アルバイトでしょうか、お揃いの黒いスーツの若者の言葉に導かれ、整理券を持っている人が素通りするのを横目に、15分並んで入場券を手にします。館内にはいるとそこにまたとぐろを巻くように長い列。左右の展示物に時折目をやりながら、列の動きに任せます。衣装をまとった若い女性が案内にまわってきますので、話しかけると「一応、飛鳥美人なんです」。
 ぞろぞろ歩きすること45分、それらしいプラスチックケースに到達です。両側に警備員がいて、「ケースにさわらないでください」と注意されます。正面までは急造のスロープが付けられていて、斜め上方から白虎を見られるようになっています。
 で、肝心の白虎はというと、その前にいたのは1分足らずでしょうか、「繊細な筆遣い」とか「爪をたてた前足、かっと見開いた目の躍動感」とかの評を感じる間もなく、「これがそれか」程度だったでしょうか。
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