WBC(World Baseball Classic)での日本チームの優勝は、実に痛快・爽快でした。1次リーグから優勝に至るゲームを見ていて、勝ち進むには各個人の技量が勝っていることもさることながら、チーム一丸となって是が非でも勝とうとする潜在意識が必要であることを改めて思い知ります。それを感じることでまた、応援する者にも熱が入り感動が呼び起こされるのです。勝って当然のアメリカチームが破れたのも、1次2次リーグでキューバ、日本が苦戦をしたのも、実力の過信が国のために勝とうとする意識を上回っていたからではないでしょうか。
この優勝で、WBCの選手に選考されながら辞退した人たちが霞んだように思います。彼等の活躍が伝えられても、以前は「日本人選手が大リーグで頑張っているんだ」とぐぐっと引きつけられたのに比べ、「日本人」という感慨は抜け「自分のために頑張ってるんだ」との認識が私の中には生まれています。それもこれもあれほど寡黙だったイチローが、自身の気持ちをさらけ出し、代理出場の最年長・宮本の縁の下の働きが伝えられ、「日本」を背負って各メンバーが必死のチームプレーをしているのを目の当たりにしたからに他なりません。