蝉の恋路

 都会では少ないでしょうが、この田舎では今蝉の鳴き声がうるさいくらいです。
 自宅の前は小学校、織田家の陣屋跡に建てられていて、近くには堀の一部も残り「大手」の地名も残ります。小学校では建て替えられた際大きな木の多くは伐採されたのですが、幾本かは今も残り、正門前付近には当時の武家屋敷の名残か、広い敷地の住宅が点在し当然のごとく大きく育った庭の木々がそびえています。それらの木々にとまった熊蝉の合唱が、夜明けとともに途切れることがありません。
 鳴いているのは雄、子孫を残そうとメスを惹きつけるのに必死です。私には同じ鳴き声に聞こえますが、蝉のメスにとっては、好みの音色があるのでしょうね。蝉にも聴覚があるのでしょう。近づくと鳴くのを止めますし、敏感なツクツクボウシはすぐに飛び去ってしまいます。短い期間の必死の求愛活動です。子供の頃ならいざしらず、大人となれば蝉の恋路を妨げてはなりませんね。それにしてもうるさいですね。

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