先月末、常用漢字の改正がなされました。いつもは素通りする私ですが、今回は「あれっ」と目に留まりました。
常用漢字はその名のとおり、日頃用いる漢字で、実質的には義務教育で読み習う範囲ですが、その意味で言えば、「大阪」の「阪」、「埼玉」の「埼」、そして我が「奈良」の「奈」など地図では当たり前の漢字が今まで入っていなかったのが不思議です。
私の目に留まったのは「三輪素麺」の「麺」の字。今まで入っていなかったのかとの驚きです。
素麺は今でこそ日常の食材ですが、以前は皆さんになかなか食べていただけず、私の母方の祖父がデパートに売り込んだのが先がけです。当時は木箱から50gの束の素麺をそのまま取り出してのばら売りだったのですが、ぽろぽろ折れるとのことでその後袋入りになった経緯があります。
高級料亭でないと食していただけなかった三輪素麺が、今は家庭で当たり前に食べていただけるようになりました。数十年経ての結果です。遅ればせながら「麺」の字もやっと常用になったということでしょうか。