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 「これは氷山の一角だ」と誰かが言っていました。国土交通省が22都道府県にわたって、190棟を越す建物の耐震強度の再調査を命じましたが、ひょっとするとその言葉通りになるかもしれません。といっている内に、あの飄々とインタビューに答えていた当該一級建築士は、マスコミの前から姿を消しますし、建築主の内一社は早くも不渡りを出しています。「全て購入価格で引き取る」と豪語している建築主や「引き取りはできないが、立て替える」と言っている建築主も、不渡りにみる銀行の冷たい保全態度からして、今後どうなるか分かったものではありません。
 業界の無頓着ぶりも氷山の一角を伺わせます。全国住宅建設産業協会が、価格を抑え2ヶ月の短期間で完成させたことを理由の一つとして、今回問題となっている建物の一つに優秀事業賞を与えていたというのですから。そりゃあ、価格も安くなり、工期も短縮できるでしょう。
 国もこの件では何らかの被害者救済策をとると言っていますが、大臣のパフォーマンスに終わらないことを希望するばかりです。

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