グルテンの力

 手延べそうめんにとって、グルテンは欠かせません。というか、小麦粉を原料とする食品は、このグルテンの力で成り立っていると言えます。
 小麦粉に含まれる蛋白質の多く(80%以上)は、馴染みのない名前ですが「グリアジン」と「グルテニン」です。グリアジンは、粘着力が強く伸びやすい反面、弾力に乏しい性質で、グルテニンは、その逆の性質を持っています。ところが小麦粉に適宜な水を加え捏ねると、あら不思議、お互いのマイナスを補い合った「グルテン」がつくられます。
 グルテンは網目であり繊維状で、捏ねることで網目が強くなり、引っ張って延ばすことで繊維が規則正しく並んで、手延べそうめんができあがります。
 グルテンは、手延べそうめんにとって、縁の下ではなく真の力持ちなのです。