なぜはるさめづくり?


そうめん屋さんがどうして春雨をつくってるのか、不思議ですよね。実はそれには歴史的背景があるのです。

日本には第二次世界大戦という大きな節目がありました。その敗戦後食糧事情の悪化に対し、政府は経済統制をひいたのです。小麦粉はその統制品目で、自由に手に入らないばかりか小麦粉を加工した品物も自由に販売できなかったのです。ところが春雨の原料である澱粉はその統制品目には入りませんでした。そうめんを造っても売りに歩くことができない。やみで売ろうとしてもコストのかかる品に誰も見向きもしない、なんとか生計を立てたい皆々は、春雨の製造に着手したのです。

 現在、「全国はるさめ工業協同組合」に加盟している企業が奈良県に5社もあるのは、実はこういうことが一つの要因だったのですね。