はるさめができるまで


 素麺が機(はた)に干される姿は映像でご覧の方も多いでしょうが、春雨が竿に掛けられ乾燥している様子はご存じ無いかもしれません。


原材料
春雨の原材料は澱粉(ばれいしょ澱粉、かんしょ澱粉)と水です。添加物として増粘剤、漂白剤、膨張剤(ミョウバン)を用います。人に影響を与える漂白剤は、乾燥工程で除去されます。

混練
配合した澱粉に水を加え練りあげます。後の工程のためこの時の固さは重要です。

目皿通し
いくつもの円形の穴を開けた目皿を付けた製造釜に混練した材料を入れ、目皿の目を通して幾本もの麺線を落下させます。この時の麺線の太さは、目の大きさ、混練の固さ、落下距離によって決まります。ちょうど水道水を細く蛇口から出したとき、下に行くほど細くなるのと同じ状況です。

湯通し
麺線を100℃近くの湯の中に直接落下させ、瞬間的に糊化させ連続した長い麺線とします。澱粉粒子が吸水し加熱されると次第に膨張しやがて粒子は崩壊・溶解して粘度を増し、麺線としてつながります。これを糊化(またはα化)と呼びます。

冷凍
湯から取り出した麺線を適当な長さに切りながら竿に掛け、しばらく冷却した後-13~-15℃の冷凍庫で、8~12時間冷凍凍結します。
澱粉の性質上、α化した麺もそのままの状態では元に戻ろうとします。冷凍で水分を飛ばし分子構造を再結晶させることで麺線の状態を保ち、水に溶けない麺線を造ります。先ほどの糊化に対しこれを老化(ちょっと言葉は悪いですが)と呼びます。

解凍
冷凍庫から取り出した麺を清水を満たした解氷槽にしばらく浸け、その後清水をかけながら完全に解氷します。

乾燥
竿にかかった麺を機(はた)にかけ天日乾燥、もしくは室内乾燥をします。

裁断、袋詰め
適当な長さに裁断をした後、計量袋詰めをします。

検査
検査機器により、重量、異物混入の検査をします。